修学旅行夜更かし組 WATCH

sol-fa-soft WATCH

■data
アーカイブ容量:およそ27MB
収録CG数:原画20枚、差分多数
シナリオ容量:101KB
スクリプト容量:227KB
(CD-ROM版)
2007年12月31日、コミックマーケット73にて販売(400持込/完売)
他、ショップでの販売
販売価格:1200〜1260円
総製造数:3000
(ダウンロード版)
2007年12月28日、各ダウンロードショップにて販売開始
販売価格:1000〜1050円
販売初日DL数@DLsite:275
販売初週DL数@DLsite:972
■staff
企画、脚本、音楽、シナリオプログラム:桐原巳弥人
原画、CG:棚葉
システム提供:秋山構平
◆◆ ■link
紹介ページ
DL販売ページ@DLsite
DL販売ページ@デジケット

■内容
とにかく修学旅行で夜更かししてる奴らがいて、そいつらが適当に罰ゲームにかこつけてHなことをするって話。
「シーサーぱっくん」っていうゲームの結果によって色々分岐。けっこう盛りだくさん。


■企画事情

企画書、見ます?(※は掲載にあたって伏せた文字)

実は着想はかなり昔。たぶん2003年くらい。
修学旅行の夜っていうのがsol-fa的にけっこうツボだとは思ってて、それをゲーム化するにあたって
「修学旅行の夜、みんなで集まったら、やっぱり大貧民だよなあ…」
という妙なこだわりみたいなのがあって、大貧民を作るのは面倒なので放置していたわけです。(笑)

そして放置したまま4年間くらいが経過。2007年。
池袋に新しく開店したヤマダ電機の7階で、コンシューマゲームを見るついでにすごいなんとなく、そこで売ってるおもちゃを見回しておったのです。
そのとき、スーパーマリオのボードゲームみたいなやつが置いてあったのをよく覚えています。
そこでなんか、ピンと来るモノがありまして。突然、昔考えた「修学旅行企画」というのを思い出しました。
大貧民を作るのは面倒だし、例えば、別のゲームにしたらどうか。この店に並んでいるゲームで考えてみよう。
例えばジェンガ………うーん、それも面倒だ。力学計算とかむりぽ。
例えば生き残りゲーム………わりといい感じだけど、版権とか大丈夫なのかな。適当にアレンジするのもいいかも。保留。
例えば番犬ガオガオ………
 
………
 
……けっこういけるんじゃね? こういうゲームデザインにして、服の数がそれぞれこんな感じで、こうやって……
 
みたいな。それで、その日のうちに新しく企画書の骨子をまとめた感じ。
ちなみにその日、ヤマダ電機では一度は読んでおきたい日本文学100選を買いました。(笑)
クラムボンはかぷかぷ笑ったよ!!


■表題事情

これは、けっこう最近考えたんじゃなかったかな。
とにかく語呂重視で。
文字にすると形自体は悪くないんだけど、送りがなの感じがちょっといまひとつかも。
それから、「修学旅行夜更かし組」にするか「修学旅行 夜更かし組」にするか最後まで迷いました。
やっぱり語呂の勢いを大事にして、前者に決定。
たぶん正解は後者だと、当時も今も思います。


■画像事情

sol-fa-soft作品の標準として、なんとなく販売価格1000円で17〜18枚っていう決まりがあるんですよ。
企画書には、20枚の字コンテ(というほどでもない、絵のシチュエーションを箇条書きで説明した文)を書いていきました。
脱衣での絵は、取捨選択できると思ったんです。どれがエロくてどれがエロくないのか、棚葉先生と相談しようと考えていました。
で、企画書を見せて、棚葉先生から最初に出た言葉:
「あー、いいんじゃね? ぜんぶ描くよ」
頼もしい限りであります。その日のうちに3人のキャラデザと、20枚の絵コンテを全て描いていただきました。

実は2007年5月にsol-fa-softの活動拠点の引っ越しというか廃止というか、とにかく密かに借りていた事務所を引き払ったのですが、
このときが、引き払い後では初めての、絵を描くことを伴った打ち合わせです。
これを、駅前にある普通の喫茶店でやりました。
時刻は夜遅くでしたが、それでも人目はあることはあるわけで。
でも、やってみればできるもんですね。いい経験になりました。(笑)
その後の打ち合わせはほとんど喫茶店でやってます。
企画だけのときは飲み屋とか行ったりするけど。


■脚本事情

さて、相変わらずの一番の難関がこれ。
とにかく、脱衣ゲーム部分はめちゃめちゃ楽でしたね。私の本領はこのへんなのかもしれません。
楽というか、「締切の2週間以上前に書き終えちゃった」と言えば、私の執筆速度を知っている人は驚いてくれるかも。

で、正座のシーンとか、全裸で逃げ出すシーンとか、そのへんも苦労していません。さらさら書いてます。

やっぱりね、苦労するのが毎回Hシーンなんですよね。Hシーンなんてなければいいのに!(笑)
結局いつもこういうやり方になりますが、まず、Hを含むシーンの、H以外の部分だけをひたすら書き、
次にHシーンの地の文を書き、最後に喘ぎ声を埋める……という方法をとりました。
まあ、これしかないよね。

締切の関係で、最後に書いた深奈の罰ゲームのシーンとかが本当にどうしようもなく簡素でくだらないものになってしまったと
思うのですが、実際プレイした方の感想としてはどんなもんなんでしょうか。
棚葉先生は「けっこういけてるじゃん」なんて言ってましたけど。
でも彼は褒めるのがうまいからなあ。(笑)

感想お待ちしております。

あと、めちゃめちゃたいへんだったので特筆しておきたいのが、足コキのシーン。
それまでの女の子の服装によって微妙に分岐せざるを得ず、もう、本当に、脳みそが沸騰するかと思いました。
つーかテキストの条件の具合とかも最初から設計しておけばよかったんですが。(笑)
この部分で最後の最後でバグが発覚して、今度こそは駄目かと思いました。なんとか間に合って良かったです。


■音楽事情

sol-fa-softしかやってない方には、たぶん新曲に聞こえる曲があると思いまーす。
でもこれ使い回しでーす。すいません。裏万屋さんから頼まれて書いた曲とかね。
いや、新曲ってのも気のせいかな。もしかしたらボイス版とかに使ったかもしれない。
ただ、こっちはwavではなくてGS Wavetableなんで、また違った感じに聞こえると思います。どちらかというと、こっちの方がしょぼい。(笑)

音楽重視のユーザの方には本当に申し訳ないんですが、私自身、プレイヤとしても「鳴ってりゃいいんじゃね?」派なもんで…。
どうも、sol-fa-soft用に新曲を書き下ろす気にあまりならないというか…。

というわけで、音楽の仕事を募集しております。(笑)
使い回しOKという契約ならお安くしておきますよ。けっきょく使い回すのか。
だって……せっかく作ったのに、1作品に使って終わりだなんて、もったいなくない?


■組込事情

企画当初から一番の懸念材料であるところのシーサーぱっくんのゲームプログラムはシステムプログラマ氏には回さず、
ぜんぶ自分で書いたわけですが。
でも、意外と、素材をもらったその日のうちに終わりました。
フローチャートとかサブルーチン関係図(クラスがないからね)とかも書かず、ぜんぶ頭の中で設計したりして、脳みその
中の、普段使わないプログラマ的な部分を久々に使いましたわ。たまにはこういうのも楽しいよね。

ちなみにゲームデザインについては、企画時点では
「ゲーム自体は面白くなさそうだけど、まあ、脱衣とかがエロければそれでいいか」
って感じだったんですが、プログラムを組んでみて、実際やってみるとけっこう楽しげにできてることに気づきまして。
なかなか意外な経験でした。実は、この後の「おぼえたてキッズ」でもこういう体験が続きます。
たぶん偶然なんですが、こうやって続くと、なんとなく自分の能力のように思えてきてしまいます。いかんね。


■事後事情

根本のネタの部分では需要はあると確信していたのですが、それをうまく商品として消化できたかというとそれほど自信はなく、
ちょっと売れない作品が続いていたこともあってあまり期待はしていなかったのですが……なかなか売れているようです。
けっこう自信を取り戻した感があります。ありがとうございます。(笑)

そしてなんとなんと。評判もものすごくいいです。
「露出であそぼう」なんて比べものにならないくらい。今まででいちばんいい感触ですね。
もちろん否定的な方もいらっしゃるのですが、肯定的な方はとことん肯定的。べた褒めコメントをたくさんいただいております。
というわけで、少しは、こういうものを求めている方のお役に立てたのかな、と増長しておりますが。どんなもんでしょうか。
しばらくは、この路線の作品を考えてみる機会が増えると思います。なにこの増長っぷり。

それから、ダウンロード版の展開についてメモ。
2007年12月28日に発売しました。ライバルが少なく、精神的にも良い発売時期でした。
31日に発売した裏万屋さんとかSageさんとかたいへんだったみたいだからね! ご愁傷様です…。
あとDLsiteで、31日の夜までにあと12本多く売れてたら3年ぶりに週間1位取れたんだけど。惜しかった。
それでも、年明け数日は良い位置につけてたし。我ながら、なかなか上手かったんじゃなかろうか。


■反省事情

なんつーか、人形とか委員長とかなないつとかで散々思い知ったのにまたやっちゃったっていうかね。
とにかく「服装差分等に関する設計をちゃんとやろう!」といったところです。
設計を諦めても一応完成するとは思うんだけど、開発終盤でごたごたするのは精神的にも良くない。

ポジティブ方面では……
・ ゲームから着想するのはたぶんいい感じ。
・ 罰ゲームという題材が良い。これはきっと普遍的。

…うーん、こんなもんだろうか。
何というか、そろそろ「こなれた開発」をやっちゃってる気がするので、そういった慢心が今後の不安材料ではあります。


sol-fa-soft WATCH

Created by KIRIHARA Miyahito
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