Princess Pianissimo WATCH

sol-fa-soft WATCH

■data
2004年7月2日 DLsiteにて販売開始
販売価格:300円/キャンペーン該当者は無料
販売初日DL数:516
販売初週DL数:2098
アーカイブ容量:およそ47MB
収録CG数:原画13枚、差分54枚
スクリプト容量:およそ120KB
◆◆ ■link
紹介ページ
キャンペーンのご案内
DL販売ページ@DLsite

■内容
ピアノの教え子(わりとお嬢様)とらぶらぶする話。
第1章:なれそめ(?)
第2章〜第3章:やるだけ
DLsiteキャンペーン作品。2004年7月中にDLsiteに登録したユーザに無料配布。
非該当者のための315円という価格もキャンペーンの一環。


■企画事情

キャンペーン自体の打診を受けたのが4月上旬。エイシスの事務所は立派でした。(笑)
規模はいつもの60〜70%程度、とのことで、それでけっこう悩んだ。
「このネタはもっとでかくできるから後に回そう」とか「このネタじゃ小さすぎる」とか。
だいたい考え終わったのが4月の下旬になろうかというところ。

前々からやろうとは思ってたネタだけど、ここでこれをやると某所の人たちが面白がってくれるかと…。
最近誰も構ってくれないし。

ただ、こういった「代表作になりそうな作品」で、妥当な「ショタ×ロリ」な企画を思いつかなかったのは残念。
sol-fa-softというブランドで個人的に一番やりたいのは「ショタ×ロリ」なんだけどねえ。
なかなか難しい。つーか今まででそーいうのは2と1/3作品しかねえじゃん…。


■画像事情

企画書を書いた直後にキャラデザと絵コンテだけ1日で切ってもらって、それからしばらくは、何も…。
というか、絵担当の人が他の仕事で忙しく、それらが終わるまで待つしかなく。
それでも原画の下書きは手が空いたときにちょこちょこ書きためてくれていたらしく、下書き終了が5月中旬。
塗り開始が6月に入ってから。だいたい塗り終わったのが6月中旬。相変わらずの速筆で…。
その後も、いつものように追加発注とかでご迷惑をおかけしました。

ネタ的には、とにかく手袋&靴下&リボンでいこう、と。
手袋ってエロいと思うんだよなー。それをユーザの方が感じ取ってくれれば成功というか。
あとは、いつも手袋している人が手袋取るとそれはそれでエロい、というのを作っていている途中で気づいた。
エロって意外なところに落ちている。うん。


■脚本事情

いつものつっこみ:企画書書いた後絵が完成するまでに書いておけよ……。
〆切は6月末。
5月にシナリオを書き始めたはいいけど、全然進まない。
6月に入って絵がどんどんできてきても、全然進まない。
6月下旬、焦ってホテルにカンヅメしに行った。ちょっとは進んだけど、劇的ではない。
結局、最後の3日間くらいでほとんど書いた感じ。〆切間際の魔術師。迷惑な話だ。
それでも、じわじわと書いてきた分より、最後の3日間の方がパワーがあって良いものが書けた気がする。

今回は特に、キャラクタの立て方について、いろいろと考えた。(考えていたので進まなかったんだと思う)
キャラクタが最初から最後まで一貫している、というのがわりと一般的に考えられている「破綻していないシナリオ」なんだけど、
リアル視点では、人間関係が進展する場合、キャラクタが一貫することはほぼあり得ないわけで。
そこで、どうなめらかに違和感なく変えていくかが問題なわけで。
しかし、なめらかでなくても良いジャンル、良い作り方が存在するわけで。今回はそれに該当する(章間に時間が空いている)わけで。

そのへんの感じが、最後の「勢いで書いている」部分では自然と自分の中からわき出た。
自分のシナリオを読んで勉強になったのは初めてだ。


■表題事情

 プリンセス・ピアニッシモ
 プリンセス・マエストロ
 プリンセス・アルペッジアーレ
 この3案から、企画書の時点ではピアニッシモにしておいた。
 もっとエロいのを思いついたら変えようと思ってたけど、けっこう語呂がいいのでこのまま採用。
 でもエロくなくてすいません……とか言ってた〆切間際、棚葉先生(絵担当)が「ないしょのバイエルでどうよ」とか言い出した。
 その場でサブタイとして採用。

 まあ、こんなもんでしょう。
 タイトルありきの作品でないと、タイトルでのホームランは狙えない。
 「Princess Pianissimo 〜ないしょのバイエル〜」、1.5塁打ってところか。(なんのこっちゃ)


■組込事情

 シナリオが完成する前にほとんどの素材はあったので、タイトル画面とかCGモードとかを先に作った。
 それ以外の、本編部分のシナリオプログラムにかかった時間は4時間くらい。
 問題ナシ。

 凝ってなくてすいませんという感じはするけれども、そんな凝るべき場所なんてないからなあ。
 そのうち、スタンダードナンバーでもタッチ&フィールな感じ(なんのこっちゃ)の作品作りたいけどね。


■音楽事情

作品が「完成」したのが、〆切ギリギリの6月25日。しかしこのバージョンは音楽ナシ。
でも企画書には音楽ありって書いてあるし、ふつーはこのバージョンを「未完成」と呼ぶかもしれない。
(俺自身がBGMの存在否定派なので、このへんの感覚に鈍感でして…)
その後余裕があれば音楽を入れて、アーカイブを差し替えようと思っていた。

それからクラシックのピアノを何曲かMIDIにして、そんで、新曲を2曲製作。
これについても、ほんと申し訳ない。つまらん曲しか書けないなあ俺…。
データとしての自信作は、ラ・カンパネラかな。(笑)
クラシックも自分で弾いてそのままMIDIにしたかったんだけど、何度入力しようとしてもミスタッチの嵐!
ピアニストとしてもすんごい半端だよなあ俺…。

そして音楽を入れたバージョンが完成したのが6月30日。ほんとギリギリ。
ご迷惑をおかけしました。>関係者各位


■事後事情

販売分の結果は、初日516、初週2098。(無料配布分は入っていません)
キャンペーンや価格も関係するので一概に比べるのもアレだけど、両方ともサークル内では新記録。
週の方はDLsite的にも記録なんだと思う。(2004年8月9日に塗り替えられました)

DLsiteとしては、目標の数字は得られたらしい。そういうご報告をいただいた。
この後しばらくDLsiteがすごい盛り上がってるんだけど、キャンペーン効果もあるのかなあ。
特に客を引っ張って来られたという実感はそれほどないので、あんまり偉そうなことを言うつもりはない。(笑)


■反省事情

まず、規模縮小したつもりだったけど結局あんまり変わってない気がすること。
いつもより規模が小さいことに気づいているユーザの方も少ないようだ。
原画枚数とか、確実に少ない(いつもは17枚、今回は13枚)んだけど。
このへんは、価値観の乖離っていうのかなあ。
俺としてはシナリオ量やプレイ時間に価値をほとんど感じないんだけど、ユーザにとってはそうでないのかもしれない。

デフレに対する懸念というのは、リリース後に某所で言われて気づいた、新しい概念だった。
実際、本作をプレイしてから他の作品に手を出したユーザで、「これで1000円は高いっしょ!」と言う方が何名か。
1000円というのは俺的にも後ろめたいところがあって、すいませんすいませんといった感じ。

ビジネス的にも成功だったと思う。
確実にサークルの宣伝にもなっているようで、過去作も順調に伸びた。H医者とお嬢様が売れるのが嬉しいんだよね…。
ただ、キャンペーンの広報に関して、サークルとしてもっと何かできたのではなかろうか。
新作なんか作ってないで、他に何かやることがあったはず。
その点だけが心残りの1ヶ月だった。


sol-fa-soft WATCH

Created by KIRIHARA Miyahito
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